★「第33回毎日杯争奪豊築将棋名人戦」結果−No.9
(平成24年3月18日:福岡県吉富町「吉富亭」)
主催:日本将棋連盟吉富支部
後援:梅高建設株式会社、毎日新聞社
◆早咲誠和氏、S級優勝までの熱戦譜(其の弐)
=第4R=(決勝)
▲早咲誠和(大分市)
△西谷明雄(北九州市)
持ち時間30分切れ負けでの決勝戦です。記録係は垂水さん(女性、おそらく日本一可愛い記録係でしょう)。
決勝戦で使用している駒は本ブログにいつも写真を提供していただいている「歩兵」さん所有の月山です。
早咲さんは西谷さんとは初の豊築名人戦での決勝対決となりました。
本対局は、早咲誠和さんに自戦解説をお願いしました。大熱戦の決勝戦、ご堪能ください。
(編集・文責)棋楽庵
駒並べが始まった 使用する駒は「歩兵」さん提供の銘駒 いよいよ対局開始 (左)早咲 (右)西谷
=第1譜= (指し手) 1〜20
▲7六歩 △8四歩
▲6八銀 △3四歩
▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩
▲4八銀 △4二銀(A:途中図)
▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4一玉
▲6九玉 △5二金
▲7七銀 △3三銀
▲7九角 △3一角(第1図)
(A)両者の呼吸があって相矢倉へ。
=第2譜= (指し手)21〜35
▲3六歩(B)
△4四歩
▲6七金右 △7四歩
▲3七銀 △6四角(C)
▲6八角 △4三金右
▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △2二玉
▲4六銀 △5三銀
▲3七桂(第2図)
(B)これは大切な手。▲6七金右だ
と△6四角で駒組がしにくくな
る。
(C)これも定跡化された手。△4三
金右だと▲3五歩で先手ペース
となってしまう。
=第3譜= (指し手 36〜48)
△1四歩
▲1六歩 △2四銀
▲2六歩 △8五歩
▲1八香 △4二銀(D)
▲3八飛 △3三桂(E)
▲9八香(F)
△9四歩
▲9九玉 △7三桂(G:第3図)
(D)早くも工夫の手が出た。通常は
△7三角か△9四歩。
(E)後手狙いの構想。桂を持っての
強い反撃が狙い。
(F)上部からの攻撃に耐えるため、
深く玉を囲う。
(G)細かい一手。△9五歩だと▲6
五歩から先攻されてしまう。
=第4譜= (指し手) 49〜56
▲8八金 △9五歩(H)
▲5七角(I)
△4五歩(J)
▲同 桂 △同 桂
▲同 銀 △8六桂(K:第4図)
(H)玉頭へ圧力をかける。
(I)大駒は大きく活用する。
(J)いよいよ開戦。
(K)玉頭への攻撃。飛・角・桂・桂
・香の攻撃は厳しい。
=第5譜= (指し手) 57〜69
▲同 歩 △同 歩(L)
▲8四歩(M)
△4四歩
▲7五歩 △4五歩
▲8六銀(N)
△8四飛
▲8五歩 △8一飛
▲6五歩 △1九角成
▲6六角(O:第5図)
(L)この取りこみが大きい。桂を持
てば△8七桂がある。
(M)手筋。飛車の利きを止めなけれ
ばいけない。△同飛は▲6五歩
の飛角両取りで先手有利。
(N)しっかりと歩を払って一段落。
(O)馬は作られたものの、角の王手
が厳しい。
=第6譜= (指し手) 70〜78
△3三銀上(P)
▲3五歩(Q)
△同 歩
▲2五歩(R)
△同 銀
▲3五飛 △8七歩(S)
▲同 金 △7八銀(第6図)
(P)玉頭は手厚く守る。△3三銀引
などでは▲1五歩〜▲2五桂が
厳しくなる。
(Q)飛車と角で玉頭を攻める手は厳
しい。
(R)▲2五桂と打つのは△同銀で、
これは後手もペース。しっかり
と盤上の駒を使っていく。
(S)後手は受けていてもきりがない。
玉頭の金取りは痛打。
=第7譜= (指し手) 79〜93
▲7七金右 △8七銀成
▲同 金 △6七金
▲8八角 △1八馬
▲2五飛 △7八金(T)
▲3五桂(U)
△8八金
▲同 金 △3四銀
▲4三桂成 △同 金
▲3五桂(V:第7図)
(T)強く攻め合いたいが、ここは△
3四歩が冷静だった。
(U)玉頭の金取りで先手ペースに。
(V)飛車取りに構わず、連続の玉頭
の金取り。終盤は駒の損得より
もスピード。
=第8譜= (指し手) 94〜99
△4四角(W)
▲5五銀(X)
△3五角(Y)
▲同 飛 △同 銀
▲5四銀(Z:第8図)
(W)詰めろ(△8七桂)桂取り。△
3五同銀だと▲5二銀で受けに
くい。
(X)詰めろを犠打でしのぐ。終盤は
スピード第一。
(Y)△5五同歩で銀を取ると、▲4
三桂成から先手の攻めが続いて
しまう。
(Z)盤上の駒を最大限に使う。△同
金なら▲4三角が厳しい。
=第9譜= (指し手)100〜105
△7六桂(a)
▲4三銀成(b)
△8八桂成
▲同 玉 △6八飛(c)
▲7八金(d:第9図)
(a)玉頭の金取りだが、詰めろでは
ない。
(b)後手玉は詰めろになって勝負あっ
たかにみえたが。
(c)きわどい王手。
(d)失着。▲8七玉で先手勝ちだっ
た。以下は△8八金▲7七玉で
逃れ。また△6七飛成の王手は
▲7七角(参考1図)の逆王手
が効き、△1三玉▲7六銀で受
け切り。
=第10譜= (指し手) 106〜113
△7六桂(e)
▲8七玉 △8八金
▲7六玉 △7五歩
▲同 銀 △6五飛成
▲7七玉(第10図)
(e)これで後手の勝ち筋に。
=第11譜= (指し手) 114〜121
△7八金(f)
▲同 玉 △7五竜
▲7七金(g)
△8七銀
▲6九玉 △1三玉
▲3三角(h:投了図)
まで、121手で早咲さんの勝ち
(f)逸機。△8五桂▲8八玉△7七
桂成(参考2図)▲9九玉△8
九飛成▲同玉△6九竜(参考3
図)以下詰みだった。参考2図
で▲7七同玉は△7六香で飛車
と竜の筋がよく効いて、詰み。
(g)こうなっては先手玉は寄らない。
(h)後手玉は必死。これで豊築名人
戦10回目の優勝となった。
吉富支部垂水幹事長も熱心に観戦 ◆写真提供
・「歩兵」様
▲▲ ナビ犬京香のまったりINFORMATION △△
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将色男子
最近の若い男性は異性に対してガツガツしていない「草食男子」
が増えているらしいけど将棋界にはさらにこれに輪をかけた将棋の
色一色に染まった「将色男子」がいるみたいよ。
なにせ頭の中は将棋のことでいっぱい、すべてが将棋に結びつい
ているから、日頃の言動も傍目から見てもどこかおかしく、また当
然彼女もできず、また奇跡的にできても不用意な失着で彼女を失っ
てしまうというのが「将色男子」の特徴ね。プロの場合は「将職男
子」でも良いのだけど、アマの場合は将棋の神髄に少しだけ触れる
「将触男子」くらいが一番害がないわね。
では以下に「将色男子」の例をレポートするわ。該当しそうな人
はお気をつけあそばせ。 (京香)
●「将色男子」の例
(1)笑う時には、「フフフ(歩歩歩)、ホホホ(歩歩歩)、ヒヒ
ヒ(飛飛飛)」としか言わない。
(2)相手に同調するときは「同歩」「同歩」と興奮して言う。
(3)大会に参加するときは、勝ち星を意味する白色のカッター
(勝った)シャツしか着ない。
(4)かっこよく飛車を切ったときには必ずサブちゃんの「与作」
を歌う。………与作は飛(木)を切る〜
(5)彼女に甘い言葉を囁かなければとあせって、つい「君といる
と持ち時間がたつのを忘れてしまうよ」と言ってしまう。
(6)彼女が二股をかけているのがわかったとき、「二歩(夫)
だ」と叫んでしまう。
(7)彼女に別れを告げられたあと、ツイッターで「俺▲7六歩、
○○子△3二飛ナウ」(振られた)とつぶやいてしまう。
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