★「第11回竜虎戦」熱戦譜No.4-決勝▲藤本壮太郎対△早咲誠和
(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
解説:早咲誠和
編集:棋楽庵
<決勝>
▲藤本壮太郎
△早咲誠和
=第1譜= (指し手) 1~21
▲7六歩(A) △8四歩(B)
▲6八銀 △6二銀
▲2六歩(C) △3四歩
▲7七銀 △4二銀
▲4八銀 △3二金
▲7八金 △4一玉
▲6九玉(第1図) △5四歩
▲5六歩 △7四歩(D)
▲2五歩(E) △3三銀
▲3六歩 △8五歩(F)
▲3七銀(G:第2図)
(A)千日手指し直し局。千日手が秒
読み30秒に入っていたため本
局は5分の秒読み30秒で先後
入れ替えて再開。
(B)本大会は第11回竜虎戦。決勝
戦の組み合わせは第1回大会以
来、同一カードは本大会初。
(C)普通の矢倉にはなりそうにな
い。
(D)先手の動きに対応し,早い動き
もできるような駒組。矢倉へ進
んでいる。
(E)既に定跡形と離れた力の戦い。
(F)先手の動きを見て,後手も早め
に飛車先を伸ばし、早い戦いに
対応しておく。
(G)やはり動いてきた。将棋の指し
手には手順も含めて痕跡が残
る。しっかりと相手の一挙手一
投足に目を向けて確認をするこ
とが重要。
=第2譜= (指し手) 22~34
△5三銀
▲4六銀 △4四銀左
▲5八金 △6四銀(H)
▲6六歩(I) △5五歩(J)
▲同 歩 △同銀右
▲7九角 △7五歩
▲6七金右 △5二飛(K:第3図)
(H)2枚銀で対抗する。
(I)▲6六銀ではまた千日手の恐れ
がある。勇気ある打開策。
(J)角銀の働きを強める1手。連携
から考えればこの一手。
(K)5筋が急所。
=第3譜= (指し手) 35~54
▲2四歩 △同 歩
▲7五歩 △4六銀
▲同 角 △5五銀
▲3七角 △8六歩(L)
▲5四歩(M) △8七歩成
▲同 金 △5四飛(N)
▲7八玉(O) △8六歩
▲同 金 △8八歩
▲同 玉 △8五歩
▲7六金寄 △5六銀(P:第4図)
(L)▲同歩△8八歩が狙い。
(M)受けの手筋。大駒は近づけて受
ける。
(N)持ち歩の枚数が大きい、先手の
金2枚が浮駒なので後手ペー
ス。
(O)玉で金2枚に紐をつける。実戦
的な好手。
(P)歩で形を乱しての金取り。善悪
は微妙だが,強く攻めを続け
る。
=第4譜= (指し手) 55~66
▲同 金 △同 飛
▲6七銀 △3六飛(Q)
▲8七歩(R) △5六歩
▲5八歩 △6四歩(S)
▲2四飛(T) △3七飛成(U)
▲同 桂 △7九銀(V:第5図)
(Q)△5七飛成▲5八銀打~▲9一
角成は先手も指せる展開。
(R)実戦的に玉頭を守る好手。
(S)じっと盤上の駒を使う好手。△
6五歩の狙いもある。
(T)悪手。▲9六歩か▲7八銀とす
るべき。
(U)決断の飛車切り。
(V)いきなりの王手。王手飛車狙い
の痛打だった。後手ペースに。
=第5譜= (指し手) 67~72
▲同 玉 △3五角
▲8八玉 △2四角
▲2五歩(W) △5七歩成(X:第6図)
(W)▲2三歩もあった。
(X)角を逃げないのが好手。これで
馬ができては後手有利に。
=第6譜= (指し手) 73~87
▲同 歩 △同角成
▲6八銀打 △3八飛
▲5八歩 △3五馬
▲3三歩(Y) △同 桂
▲6三飛 △7一金
▲6四飛成 △3九飛成
▲3六歩 △2六馬
▲2四歩(Z:第7図)
(Y)好手。△同角は▲2四銀。角を
持つと▲6三角がある。
(Z)好手。角頭を攻める手は厳し
い。
=第7譜= (指し手) 88~106
△3一角(a)
▲5四竜 △5三馬
▲8四竜 △6二馬
▲5四竜 △4四馬
▲5六竜 △5五金
▲5七竜 △3七竜
▲6五金 △同 金
▲5二銀 △4二玉
▲6五歩(b) △5四歩
▲6三銀成 △4五桂(c:第8図)
(a)角の場所移動をしながら竜取
り。好手。
(b)詰めろがかかった。
(c)詰めろ逃れの竜取り。
=第8譜= (指し手)107~138
▲4六竜 △3九竜
▲2三金 △2二歩
▲5二成銀 △同 玉
▲3二金 △7五角
▲9八玉(d) △8六歩
▲7六銀右 △9五桂(e)
▲8八金 △8七歩成
▲同 銀 △8六歩
▲同銀右 △8八馬
▲同 玉 △8七桂成
▲同 玉 △8九竜
▲8八歩 △7八銀
▲7六玉 △4八角成(f)
▲6四歩 △8七銀打
▲6五玉 △5三桂
▲5四玉 △4四金(g:投了図)
まで、138手で早咲さんの勝ち
(d)▲7六竜だった。
(e)好手。これで寄り筋に。
(f)これで受けなし。
(g)5分秒読み30秒にしては大熱
戦。これで4年連続6回目の竜
虎獲得となった。
◆熱戦譜(S級早咲誠和さんによる自戦解説)
→No.1(ベスト16 ▲早咲誠和 対 △田中佳久)
→No.2(準々決勝 ▲石井紀彦 対 △早咲誠和)
→No.3(準決勝 ▲鈴木英春 対 △早咲誠和)
→No.4(決勝 ▲藤本壮太郎 対 △早咲誠和)
◆関連リンク
→「第11回竜虎戦」結果(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
→「第11回竜虎戦」ご案内(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
→「第12回竜虎戦」ご案内(平成28年4月3日:北九州市「TKP小倉シティーセンター」)
(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
解説:早咲誠和
編集:棋楽庵
<決勝>
▲藤本壮太郎
△早咲誠和
=第1譜= (指し手) 1~21
▲7六歩(A) △8四歩(B)
▲6八銀 △6二銀
▲2六歩(C) △3四歩
▲7七銀 △4二銀
▲4八銀 △3二金
▲7八金 △4一玉
▲6九玉(第1図) △5四歩
▲5六歩 △7四歩(D)
▲2五歩(E) △3三銀
▲3六歩 △8五歩(F)
▲3七銀(G:第2図)
(A)千日手指し直し局。千日手が秒
読み30秒に入っていたため本
局は5分の秒読み30秒で先後
入れ替えて再開。
(B)本大会は第11回竜虎戦。決勝
戦の組み合わせは第1回大会以
来、同一カードは本大会初。
(C)普通の矢倉にはなりそうにな
い。
(D)先手の動きに対応し,早い動き
もできるような駒組。矢倉へ進
んでいる。
(E)既に定跡形と離れた力の戦い。
(F)先手の動きを見て,後手も早め
に飛車先を伸ばし、早い戦いに
対応しておく。
(G)やはり動いてきた。将棋の指し
手には手順も含めて痕跡が残
る。しっかりと相手の一挙手一
投足に目を向けて確認をするこ
とが重要。
=第2譜= (指し手) 22~34
△5三銀
▲4六銀 △4四銀左
▲5八金 △6四銀(H)
▲6六歩(I) △5五歩(J)
▲同 歩 △同銀右
▲7九角 △7五歩
▲6七金右 △5二飛(K:第3図)
(H)2枚銀で対抗する。
(I)▲6六銀ではまた千日手の恐れ
がある。勇気ある打開策。
(J)角銀の働きを強める1手。連携
から考えればこの一手。
(K)5筋が急所。
=第3譜= (指し手) 35~54
▲2四歩 △同 歩
▲7五歩 △4六銀
▲同 角 △5五銀
▲3七角 △8六歩(L)
▲5四歩(M) △8七歩成
▲同 金 △5四飛(N)
▲7八玉(O) △8六歩
▲同 金 △8八歩
▲同 玉 △8五歩
▲7六金寄 △5六銀(P:第4図)
(L)▲同歩△8八歩が狙い。
(M)受けの手筋。大駒は近づけて受
ける。
(N)持ち歩の枚数が大きい、先手の
金2枚が浮駒なので後手ペー
ス。
(O)玉で金2枚に紐をつける。実戦
的な好手。
(P)歩で形を乱しての金取り。善悪
は微妙だが,強く攻めを続け
る。
=第4譜= (指し手) 55~66
▲同 金 △同 飛
▲6七銀 △3六飛(Q)
▲8七歩(R) △5六歩
▲5八歩 △6四歩(S)
▲2四飛(T) △3七飛成(U)
▲同 桂 △7九銀(V:第5図)
(Q)△5七飛成▲5八銀打~▲9一
角成は先手も指せる展開。
(R)実戦的に玉頭を守る好手。
(S)じっと盤上の駒を使う好手。△
6五歩の狙いもある。
(T)悪手。▲9六歩か▲7八銀とす
るべき。
(U)決断の飛車切り。
(V)いきなりの王手。王手飛車狙い
の痛打だった。後手ペースに。
=第5譜= (指し手) 67~72
▲同 玉 △3五角
▲8八玉 △2四角
▲2五歩(W) △5七歩成(X:第6図)
(W)▲2三歩もあった。
(X)角を逃げないのが好手。これで
馬ができては後手有利に。
=第6譜= (指し手) 73~87
▲同 歩 △同角成
▲6八銀打 △3八飛
▲5八歩 △3五馬
▲3三歩(Y) △同 桂
▲6三飛 △7一金
▲6四飛成 △3九飛成
▲3六歩 △2六馬
▲2四歩(Z:第7図)
(Y)好手。△同角は▲2四銀。角を
持つと▲6三角がある。
(Z)好手。角頭を攻める手は厳し
い。
=第7譜= (指し手) 88~106
△3一角(a)
▲5四竜 △5三馬
▲8四竜 △6二馬
▲5四竜 △4四馬
▲5六竜 △5五金
▲5七竜 △3七竜
▲6五金 △同 金
▲5二銀 △4二玉
▲6五歩(b) △5四歩
▲6三銀成 △4五桂(c:第8図)
(a)角の場所移動をしながら竜取
り。好手。
(b)詰めろがかかった。
(c)詰めろ逃れの竜取り。
=第8譜= (指し手)107~138
▲4六竜 △3九竜
▲2三金 △2二歩
▲5二成銀 △同 玉
▲3二金 △7五角
▲9八玉(d) △8六歩
▲7六銀右 △9五桂(e)
▲8八金 △8七歩成
▲同 銀 △8六歩
▲同銀右 △8八馬
▲同 玉 △8七桂成
▲同 玉 △8九竜
▲8八歩 △7八銀
▲7六玉 △4八角成(f)
▲6四歩 △8七銀打
▲6五玉 △5三桂
▲5四玉 △4四金(g:投了図)
まで、138手で早咲さんの勝ち
(d)▲7六竜だった。
(e)好手。これで寄り筋に。
(f)これで受けなし。
(g)5分秒読み30秒にしては大熱
戦。これで4年連続6回目の竜
虎獲得となった。
◆熱戦譜(S級早咲誠和さんによる自戦解説)
→No.1(ベスト16 ▲早咲誠和 対 △田中佳久)
→No.2(準々決勝 ▲石井紀彦 対 △早咲誠和)
→No.3(準決勝 ▲鈴木英春 対 △早咲誠和)
→No.4(決勝 ▲藤本壮太郎 対 △早咲誠和)
◆関連リンク
→「第11回竜虎戦」結果(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
→「第11回竜虎戦」ご案内(平成27年4月5日:北九州市「パークサイドビル」)
→「第12回竜虎戦」ご案内(平成28年4月3日:北九州市「TKP小倉シティーセンター」)